研究課題/領域番号 |
17K13334
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
渡邊 温子 大谷大学, 真宗総合研究所, 研究員 (20760052)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | チベット仏教 / 宗教歌 / ミラレーパ / カギュー派 / 甚深伝 / チベット古典文学 / チベット文化 / 人間観 / 仏教学 / 思想史 |
研究実績の概要 |
チベットの詩聖ミラレーパ(1040-1123)の思想研究を行うにあたり、『甚深伝』の翻訳作業を行った。中国で出版された活字本を底本とし、ニュアーク版写本とオックスフォード写本の校訂作業をすでに終了しており、この校訂データを翻訳に際して用いた。チベット人学者のトゥプテン・ガワ氏に協力を依頼し、自身で作成した『甚深伝』の粗訳の確認作業を行った。トゥプテン・ガワ氏にも不明な箇所については、大谷大学名誉教授のツルティム・ケサン氏に助言を受けた。これにより、17章ある伝記の後半部分うち、3章の途中まで確認作業が終了した。そのうち1章「輪廻には真髄が無いという功徳」は、大谷大学真宗総合研究所『研究紀要』41号で発表した。 『甚深伝』の校訂本の出版を目指し、翻訳の確認作業と合わせて校訂の確認・修正を行っている。写本ごとの綴りなどの異同が膨大な数に上るため、時間はかかっているが、より正確な読みを目指して校訂を行っている。 また、中国のチベット僧侶やインドのチベット研究者などと連絡を取り合ったが、新しい『甚深伝』の写本の情報は本年度も得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
翻訳作業において、『甚深伝』にみられる宗教歌がインドとチベットの仏教思想に根ざして書かれているため、内容を理解することが難しい。また、方言とみな れる表現も多くみられるため、翻訳が難航した。校訂データの確認作業に関しては、テキストの異同が膨大であるため作業の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
『甚深伝』の翻訳作業を続けつつ、粗訳の出来上がっている箇所を、トゥプテン・ガワ氏と共同で確認作業を行い、ツルティム・ケサン氏に助言を仰ぐ。トゥプテン・ガワ氏とは週に一度、オンライン上でやり取りを行う。ツルティム・ケサン氏に関しては、直接会って意見を交換し、助言を仰ぐ。確認の終わった翻訳研究は研究紀要に発表する。 校訂作業は異同が膨大な数になるため、翻訳の確認作業と合わせて引き続き確認作業を行い、紙媒体での出版を目指す。それが叶わない場合は、当初の計画通り、ウェブ上で公開する。 新たな資料収集のために海外への渡航は考えていないが、中国やインドにいるチベット僧や研究者たちと引き続き連絡を取り合い、資料の情報収集をおこなう。なお、ニュアーク版写本とオックスフォード版写本に関して、印刷が不鮮明な箇所があるため、直接資料を閲覧する必要があるが、一旦保留とし、データの確認作業を完成させることを優先させる。
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