研究課題/領域番号 |
17K13339
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 (2019-2020) 天理大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
渡辺 優 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40736857)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 神秘主義 / フランス神秘主義 / スペイン神秘主義 / 魂の根底 / 暗夜 / 信仰 / 十字架のヨハネ / ジャン=ジョゼフ・スュラン / 暗夜の信仰 / ミシェル・ド・セルトー / ギュイヨン夫人 / 近世フランス神秘主義 / ドイツ神秘思想 / ジョルジュ・ルオー / 中近世西欧神秘思想 / ライン・フランドル / 17世紀フランス / フランソワ・ド・サル / 宗教学 / 哲学 / 思想史 / 仏文学 |
研究成果の概要 |
神秘主義について従来の研究や一般的理解では概して「(神秘)体験」に重心が置かれてきた。本研究ではしかし、とくに16世紀スペイン、17世紀フランスに開花した近世西欧「神秘主義」を主題として「信仰」論の重要性を明らかにした。さらには、信仰論を軸に、中世から近世、近代そして現代にかけての神秘主義(をめぐる思想と実践)の変容に一定の見通しを与えた。これにより、神秘主義をより広い思想史・哲学史の文脈に位置付けるとともに、西洋近代における宗教理解を問い直す新たな視点を提起した。 主として十字架のヨハネ、スュラン、ギュイヨン夫人、セルトーらを扱い、複数の学術論文のみならず、一般向け書籍でも成果を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「神秘主義」は、19世紀以来の宗教学の歴史において最も重要な主題のひとつであり、「宗教とは何か」という問いに答えるための特別な研究領域とみなされてきた。だからこそ、従来の神秘主義理解を問いなおすことは、私たちの宗教理解をより深く豊かにする契機となりうる。本研究は、これまでの「体験」中心主義的な神秘主義理解に対して、神という他者を希う「信仰」に神秘主義の核心を認め、その信仰論が歴史のなかでどう展開してきたか、従来見落とされてきた思想史の一側面に光を当てた。 その結果得られた成果は、非合理的・非理性的なものとみなされがちな神秘主義を、把握し難い他者を希求する「別様の知」として捉えなおすことを促す。
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