研究課題/領域番号 |
17K13340
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 健樹 東北大学, 文学研究科, 助教 (80739970)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 世俗化 / 政治宗教 / 思想史 / 解釈学 / 歴史理論 |
研究成果の概要 |
本研究は、歴史学者ラインハルト・コゼレックの歴史理論の展開を、彼の政治宗教的な全体主義理解に対する評価の変化との関係で検討するものである。 本研究から明らかとなったのは、次の二点である。(1)当初コゼレックは、全体主義のイデオロギーに含まれるユートピアニズムと歴史哲学を世俗化した終末論に由来するものと見なし、全体主義体制を政治化した宗教と同一視する考え方を評価していた。(2)しかし、彼は後になると、ユートピアニズムと歴史哲学の成立プロセスを、人間の経験様式に生じた変化に由来するものであると捉えることで、政治宗教的な全体主義理解を撤回した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、公共領域に影響を及ぼす宗教を一種の全体主義と見なして退けるため、全体主義に対する政治宗教概念に基づく批判を援用するケースが見られるようになった。本研究は、コゼレックがこの種の批判を下支えしている世俗化論を相対化するために、いかなる議論を展開したかという点を整理した。これにより、上記のケースを批判的に検討する手がかりが得られ、一定の学術的意義と社会的意義が得られたものと思われる。
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