研究課題/領域番号 |
17K13346
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (90620873)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 図面 / 内刳り / 干割れ / 刳り破り / 木取り / 割矧ぎ / 模刻実験 / 鎌倉時代 / 割矧造り / 3D計測 / 古典彫刻技法 / 木造彫刻 |
研究成果の概要 |
我が国は古代から中世までの木造彫刻を数多く有するが、その制作の実際については未解明な技法がまだ多い。これを解明する糸口として、本研究では鎌倉時代に作られた楽法寺金剛力士立像のうち吽形像を対象に、50%縮尺で模刻制作を行った。その結果、本像は丸太に近い状態のヒノキから内部を空洞にした後、金剛力士像の形を彫り出したことがあきらかとなった。 従来の研究では、形を彫り出してから木彫像の内部を空洞にすると思われていたが、彫刻の設計図である図面を活用することでこれらのことが可能であることが示された。この知見は、造像技法の再現制作研究からの一検証例として、日本彫刻史研究の分野へ提示できたものと思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取得した3Dデータは、計測対象が将来の保存修復処置をされる際には、有用な修復資料のひとつとなりえるものであるため、原本像の所蔵寺院(桜川市楽法寺)に完成した縮尺模刻像とともに寄贈予定である。くわえて本研究成果と合わせて所蔵寺院で公開されることで、彫刻文化財への造詣を広く一般の来訪者に深めていただく契機となることが期待される。また周辺には原本像と関連性があると思われる金剛力士像の作例が散見されることから、当該地の中世彫刻史研究を進めるうえでの一資料を提示できたと思われる。
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