研究課題/領域番号 |
17K13355
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 祐子 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60566206)
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研究期間 (年度) |
2018-02-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イギリス美術 / 趣味論 / シュルレアリスム / Taste / ハーバート・リード / 両大戦間 / モダン・アート / 前衛 / 趣味 / 歴史的前衛 / イギリス / モダニズム / シュルレアリスム国際展 / ローランド・ペンローズ / ハンフリー・ジェニングス / 20世紀美術 / taste / 前衛美術 / 美術史 / 受容 / 画廊 |
研究成果の概要 |
本研究では、イギリス美術における「趣味(taste)」への志向が、同地での前衛的美術の展開と互いにどのような作用を及ぼし合ったのかを明らかにすることを目的とした。そのためにまず、「よき趣味」の規範化に関わる同時期の美学的言説とその実践の場〔A〕における趣味論の射程を考察し、そこでの前衛美術の位置付けを明らかにした。次に、同時期のマスメディアと密接な関連を持つ視覚文化〔B〕における趣味の受容や教化、伝播や自律的展開のダイナミズムを考察し、そこにおける前衛美術の役割を考察した。以上の成果をうけて、上記〔A〕〔B〕の領域を横断する同時期の前衛美術〔C〕の領域を見極め、その概念モデルを再構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、考察の拠点を上記〔A〕〔B〕いずれかの領域に限定することなく、また二点考察ではなく〔C〕を含めた三点の有機的連関を探ることによって、両大戦間期のイギリスにおける趣味論と前衛美術の立体的な言説空間と実践が浮き彫りとなった。このことは、同テーマをめぐって、純粋芸術/応用芸術、エリート/大衆といった二項間の単線的な関係性ではなく、その重層的な様相を捉えることを可能とした。イギリス趣味論の歴史の中で、趣味判断のアポリアともいえる前衛的芸術の位置付けを明らかにすることによって、趣味論と「キッチュ」や「悪趣味」をめぐる社会的、歴史的、政治的読み直しが今後さらに充実することが期待される。
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