研究課題/領域番号 |
17K13361
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
酒井 元樹 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (90450642)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 日本刀 / 刀剣 / 刀装 / 七星剣 / 葦手絵 / 金唐革 / 打刀 / 名物刀剣 / 丙子椒林剣 / 名物帳 / 桃山時代 / 安土桃山時代 / 刀 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本で長く伝来し、宗教・政治・文化などの側面で歴史的に高く評価されていた刀剣について、連続した表現と変容した表現の意図を、即物的な特徴から分析し、その歴史上の展開と文化史上の特性を考察したものである。検討の結果、日本刀には、高度な知識や成熟した知性、あるいは美的感覚などを駆使した権威を示す表現が時代を超えて存在し、従来知られていなかった事例を見出した。また、権威の表現は制作時の意図として示された場合だけではなく、機能性に基づく刀装の変容や刀身の評価基準の変化など、権威とは直接関連のない表現や捉え方に対して、後天的に権威性が付与された場合があり、重層的な歴史的展開が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が明らかにした日本刀の権威性は、武器としての機能論の考察が少ないことなど、その結論は刀剣の部分的な歴史理解に留まる。しかし、日本刀における権威の表現は、文化史上の観点からみて、当初の想定以上に重要な要素であることが確認された。また、即物的な特徴の分析が、近世までに独自に発達した日本刀の歴史理解を、現代の歴史学のなかで位置づける端緒となることが改めて認識され、今後の研究の方法論を確立することができた。加えて、日本刀の歴史的展開を検討するにあたり、任意の特徴や捉え方に対して権威性が後天的に付与される事例が存在するなど、実際の検討作業において念頭に置くべき事項も明らかになった。
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