研究課題/領域番号 |
17K13367
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松田 愛 富山大学, 芸術文化学部, 講師 (40722260)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ソフィ・カル / 美術史 / 現代美術 / 写真 / テクスト / 西洋美術史 |
研究成果の概要 |
本研究では、フランスの現代美術作家ソフィ・カルについて、彼女の作品解釈と切り離せない展示空間に着目することで、その表現の独自性を考察した。初期から最新作までを扱った個展およびグループ展など、2017-2018年に行われた実際の展覧会を実見・調査しながら、作品とその展示構成について分析した。旧作品と身近な家族の死を題材とした近年の作品を組み合わせた「DEAD END」展(シャトー・ラ・コスト、2018年)では、身近な人々の喪失や不在と向き合いつつも、綿密に構築された展示空間からは、自身の物語を普遍的な物語へと転換させる虚構の力ともいうべき、彼女の芸術表現の特質を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
政治的状況や環境問題など、社会的テーマを探求するアート作品が注目される国際的な現代美術の状況の中で、ソフィ・カルは、活動の初期から現在に至るまで、主として自身や他者の個人的な物語から出発して、根源的で普遍的なテーマを追求する作品を作り続けている。個人の物語を、多くの人々が共感できる客観的な作品へと組み立てていくその方法を、展示空間に着目して読み解くことは、彼女の芸術表現の意義を考える上で重要であるだけでなく、私たちの生と芸術のつながりを考察する上でも大いに示唆に富むものとなる。
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