研究課題/領域番号 |
17K13378
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 京都精華大学 (2018-2020) 京都造形芸術大学 (2017) |
研究代表者 |
鯖江 秀樹 京都精華大学, 芸術学部, 准教授 (30793624)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 定期美術展 / 美術批評 / 戦後美術 / イタリア / モダンアート / 地域アート / 文化政策 / 動態文化論 / 芸術祭 / 全体主義 / 1950年代 / 芸術・文化政策 / 近現代美術 / イタリア近現代史 |
研究成果の概要 |
本研究では、1931年から1956年まで、計7回のローマ・クアドリエンナーレを考察対象とした。この美術展の実像と、芸術家や批評家、あるいはイタリア社会とのかかわりを一次資料から分析することを試みた。それによって以下のことを明らかにした。第一に、参加作品やその規模、運営機関の変化、戦中戦後における展覧会の変遷などクアドリエンナーレの概要である。第二に、規定や制度の変更が展覧会のあり方に決定的な役割を果たしていたことである。また、美術の国際化の流れにクアドリエンナーレが連動していることなどが判明した。これからの芸術、あるいはその展示手法の展開を考察するうえで、過去の具体的な参照点を提示できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「規定の変更」とは、ジャンルやサイズの選定から自由度を失わせる改変であった。それは、ファシズムの時代から戦後の民主社会への移行期にあって、表現の自由が狭められていくという逆説であった。ただ、この国の美術が国際的なマーケットの要請にそって、作品のなかに「イタリアらしさ」を自己演出しようとしていたことを見逃すべきではない。 こうした事実や特徴を突き止めたことにより、日本各地で開催される芸術祭への教訓を得た。第一に、定期美術展は国や地域単位の問題ではなく、国際動向や芸術への認識など、広い射程をもって議論されるべきである点、第二に、「展示のレトリック」はより深く検討される問題である、ということである。
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