研究課題/領域番号 |
17K13380
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2018-2020) 国際日本文化研究センター (2017) |
研究代表者 |
栗山 新也 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (40782066)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 文化人類学 / 楽器 / 物質文化 / 沖縄芸能 / 民族音楽学 / 楽器学 / 物質文化研究 / 芸術諸学 / 沖縄 / 文化財 |
研究成果の概要 |
三線は親族や友人、三線仲間、師弟などの関係の中で人から人へと渡り、実用性や工芸品としての価値とともに「履歴」が積み重なっていく。三線が継承される過程では実用性、工芸品としての価値だけでなく、お礼の品、記念品、誰それが演奏した、形見の品などの価値が付与されていた。また価値は固定的・一義的なものではなく、継承の過程で推移し積み重なっていくものであることが明らかになった。三線が持つ関係の象徴的価値は総じて重要視されていた。三線は前の所有者との関係だけでなく、長期にわたって三線を継承してきた人々の関係の連なりを蓄積し、過去に三線を継承してきた人々の関係や思いを想像させる媒体として機能していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの三線に関する調査研究は、「名器」「文化財」など、人からモノに対する一方的な価値観を前提にして調査が行われてきた。これに対してこの研究では、三線を、継承される過程で、人々の関係を媒介し、価値や感情を喚起し続けるモノとして捉え、三線が引き出す多様で重層的な人間関係、価値や感情のありようを浮かび上がらせた。このような視点・方法論は、他の大衆楽器や、文化財、骨董品、美術品など多様なモノと人との関係の分析へも応用が期待されよう。
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