研究課題/領域番号 |
17K13393
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
倉田 容子 駒澤大学, 文学部, 准教授 (80618843)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 日本文学 / 自由民権運動 / ジェンダー / 宮崎夢柳 / 政治小説 |
研究成果の概要 |
本研究は、明治期政治小説の代表的な書き手である宮崎夢柳の小説を主な研究対象とし、女性表象の変遷と特質、および、「自由」の観念との連関性について検討するものである。夢柳の作品における女性表象を整理した上で、それらの表象と同時代の自由民権運動や女権論との連関性について考察し、女性表象が、民権家の「志士」としての規範との葛藤を引き起こす「自由」の概念を物語世界に導入する役割を果たしつつ、同時に、女性の政治的課題を私化する側面を持つことを明らかにした。また、夢柳を出発点として女性活動家・思想家についても調査を進め、ジェンダーを視座として自由民権運動から社会主義への文脈を辿る構想を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジェンダー表象は政治小説の骨子を形成する要素であるにも関わらず、従来の政治小説研究においては体系的な研究はなされてこなかった。本研究により、政治小説が主眼とした「自由」の概念と、近代黎明期におけるジェンダー規範との連関性が明らかになった。また、これまで日本近代文学領域におけるジェンダー研究では、国民国家における良妻賢母規範や家族制度の問題に議論が集中する傾向があった。本研究では近代国民国家の成立以前に遡ることで、ジェンダー研究における従来の問題機制を相対化した。
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