研究課題/領域番号 |
17K13408
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中尾 雅之 鳥取大学, 地域学部, 講師 (00733403)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 意識描写 / 自由間接思考 / 小説 / 物語論 / 文体論 / 記憶 / オーセンティシティ / カズオイシグロ / 現在時制 / 語り / 知覚 / 思考 / 口語化 / 意識のレベル(知覚・思考) / 意識の言語化の度合い / 書き言葉の口語化 / リアリズム / 英国小説 / 意識の流れ |
研究成果の概要 |
本研究では、主に英国小説における意識描写の歴史的変遷の一端を、自由間接思考(Free Indirect Thought: FIT)の形式・意味の通時的な変化に焦点を当てて考察した。特に、先行研究の少ないモダニズム前後の作品を中心に分析を行った。主な研究成果は以下の通りである。(1)FITが再現する意味領域が思考レベルから知覚レベルにまで拡張していくにつれて、登場人物の知覚・思考レベルの意識の交錯が、語り手の媒介を通さずに描かれる傾向が顕著になること、(2)FITが、形を整えていない流動的な意識を、書き言葉の口語化を通して(話しことばの形式的特徴を活かして)再現する手法を獲得していくこと。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小説における意識描写の文体研究は、人間が自分の体験を内面化していくプロセス(自分の内面で起こる出来事を言語化していくプロセス)及びその再現方法を追究する作業である。本研究では、通時的な観点から意識描写の考察を行うことで、小説という言語芸術が、「意識的な意識(ある程度明確に言語化された意識)」を描く初期の段階から「形を整えていない流動的な意識(無意識や断片的な思考)」を再現する段階に至るまでの、言語実験のプロセスの一端を記述した。
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