研究課題/領域番号 |
17K13411
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
松田 幸子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (10575103)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 南洋表象 / 島嶼文化 / ポストコロニアリズム / 南洋 / スティーヴンソン / 新世界表象 / ポスト・コロニアリズム / 19世紀末の東南アジア / ポスト・コロニアル研究 / 海洋小説 / 帝国主義 / 越境 |
研究成果の概要 |
19世紀から20世紀初頭にかけて、大英帝国が南海(South Sea)に進出する中で、イギリスの作家たちはそこで様々な接触・衝突・交渉を行った。ラドヤード・キプリング(Rudyard Kipling)やR. L. スティーヴンソン(Robert Loise Stevenson)らの、東南アジア・南洋を舞台とした小説と、同時代の日刊紙(Civil and Military Gazette)を並行して読むことで、南海の〈島嶼文化〉とは避け難く混淆性を有したものであることが明らかになった。南海における〈島嶼文化〉の持つ非境界的な意識は、自らの境界を拡大していこうとする西洋の試みに抵抗するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大英帝国が自らの領土を拡大していこうとする過程において、遭遇した非境界的な〈島嶼文化〉との衝突や交渉と通して、帝国の境界に対する意識が変容する様を明らかにするという意味において、本研究は、近代国家におけるナショナル・アイデンティティに関する社会的・歴史的な問題と、相互作用的にその生成に携わったであろう小説というメディアの関係を探る、文化史的な視座を持った研究となった。とりわけ、キプリング、スティーヴンソンの小説が、〈島嶼文化〉との接触によって、西洋の混淆的なアイデンティティ形成の過程を明らかにするものであることを論じることができた。
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