研究課題/領域番号 |
17K13418
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 大阪成蹊短期大学 |
研究代表者 |
麻畠 徳子 大阪成蹊短期大学, グローバルコミュニケーション学科, 講師 (40595831)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 作家協会 / 盗作 / 模倣 / 後期ヴィクトリア朝 / 文芸雑誌 / ウォルター・ベザント / 著作権意識 / 文学の尊厳論争 / 盗作擁護派 / 英文学 |
研究成果の概要 |
後期ヴィクトリア朝の文芸雑誌には、文学作品における盗作について、糾弾する側と擁護する側との活発な議論が散見される。その背景には、ロマン主義思想から引き継がれた作品のオリジナリティを絶対的なものとする評価基準が、過剰に教義化されていった1840年代以降の文壇の傾向に抗して、模倣から生まれる芸術性を訴える創作者側の主張があったといえる。本研究は、活発化した盗作をめぐる倫理的・審美的問題についての議論を、後期ヴィクトリア朝文芸雑誌上にたどりながら、他方で、1886年のベルヌ条約成立に端的にみられる文学の「知的所有権」意識の高まりとの関係性を考察し、包括的に19世紀末の著作権意識の在り方を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、第一に、文学作品における「模倣と盗作」という問題を、法律・経済・芸術といった分野の区分を横断して議論を展開していたヴィクトリア朝文芸雑誌の特異な言説空間に探ることによって、この問題が提起する「著作権」意識との関連を包括的に考察することができ、また、貴重な一次資料の収集という学術的な貢献ができた。 本研究は、同時に、近年急速に進められているデジタル・アーカイヴ化されたヴィクトリア朝文芸雑誌を積極的に利用し、新しい研究領域の方法論の模索と実践を試みた。したがって、本研究は、新たに開拓されつつある「デジタル人文科学」の実践例となるという学術的な貢献ができた。
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