研究課題/領域番号 |
17K13420
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
摂津 隆信 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (40454003)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ドイツ大衆喜劇 / ミュンヒェン / カール・ファレンティン / グロテスク / カバレット / 大衆文化 / 大衆喜劇 / ドイツ大衆文化 / ドイツ喜劇 / フォルクスゼンガー / ドイツ文学 |
研究成果の概要 |
大衆喜劇文化における「グロテスク性」を考察の起点として、ミュンヒェンカバレット文化のにおける演目の政治の描写法および把握法について研究を行った。その素材として主に20世紀前半に活躍したカール・ファレンティンの喜劇を取り上げた。 1年目はグロテスク演劇の基礎理論を再検討しつつ、ファレンティンがその喜劇『芝居見物』においてどのように現実を誇張的に、すなわちグロテスクに演出したかを中心に考察した。2年目は同じくファレンティンの喜劇『受堅者』の読解を通して、そのグロテスク性が自然主義から異化効果を繋ぐモメントとなっており、それが政治に対する思考への起点となっていることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
演劇におけるグロテスク研究はまだ発展の途上にあり、とりわけカバレット演劇に代表される近現代大衆文化のグロテスク性については先行文献が少ない。本研究は、ナチス支配に対抗する文化という通常の図式に隠れていた大衆の姿とその日常を、カール・ファレンティンというミュンヒェンを代表する大衆喜劇人の演目からあぶり出した。その意義は、日本ではほとんど俎上に載せられないファレンティン喜劇を中心に取り上げることができたのはもちろんのこと、彼がグロテスクという演劇的効果を用いて日常のリアルを切り取り、それがブレヒトの異化効果へと続く結節点となったことを示せた点に存する。
|