研究課題/領域番号 |
17K13425
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 名古屋大学 (2019-2020) 九州大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
鳥山 定嗣 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80783117)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ヴァレリー / 生成研究・草稿研究 / フランス近代詩 / ピエール・ルイス / マラルメ / 詩法 / 韻律 / 翻訳 / 象徴主義 / 定型・非定型 / 草稿研究 / ウェルギリウス / 生成研究 / 散文詩 / 『旧詩帖』 / 『若きパルク』 / アンドレ・ジッド / 仏文学 / フランス詩 / ポール・ヴァレリー / 高踏派 |
研究成果の概要 |
未公表作を多く含むヴァレリーの初期詩篇草稿の活字化・翻訳・体系的分類を行うとともに、初期詩篇と後期詩篇の関連性、青年期における友人や先行詩人(特にルイスとマラルメ)との交流という観点から、ヴァレリー初期の詩作の全体像を考察した。その結果、従来ヴァレリーはフランス近代詩の流れに逆行した古典的詩人と評されてきたが、初期の詩作には19世紀末フランス詩の変革運動に通じる革新的な試みが見出されること、後期の代表作『若きパルク』が初期詩篇と秘かに結びついていること、青年期の詩作が友人たちとの親密な相互作用を通して発展したことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の第一の意義は、ヴァレリー初期の詩作が同時代の詩の革新的な動向と軌を一にしていた事実を示すことにより、旧来の詩人像に修正を加え、革新性と伝統性を併せもつヴァレリーの詩の多面性を明らかにした点にある。また初期詩篇と『若きパルク』の関連性を指摘し、詩作復帰を象徴するこの後期詩篇のなかに詩作放棄以前の青年期の記憶が刻まれていることを示した。さらにルイスとの相互作用やマラルメの死が初期の詩作に及ぼした影響という観点から、青年ヴァレリーが親密な他者との関係のなかで創作していたことを示したが、この指摘には、しばしば独我論的と批判される作家像を修正する意義があると思われる。
|