研究課題/領域番号 |
17K13428
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
時田 郁子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (60757657)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 自然哲学 / 亡命文学 / 神秘思想 / 近代 / 大航海時代 / 複数世界論 / 天文学的発見 / ドイツ革命 / 神秘主義 / 宇宙論 |
研究成果の概要 |
デーブリーンの亡命期(1933-1946)に重点を置き、長編小説『アマゾン』と『1918年11月』を主たる研究対象にして、彼の自然哲学の展開を考察した。彼が自然哲学の着想を得たきっかけは、伝統的ユダヤ人の敬虔さを見聞したことにあり、彼の自然哲学は宗教に深く結びつく。亡命期に彼は無神論の立場からユダヤ教に近づき、カトリックの洗礼を受けたが、そうした伝記的事実は作品に直接反映してはいない。彼の自然哲学は『アマゾナン』で近代の宇宙像を、『1918年11月』で中世の神秘主義と20世紀の生活改善運動の世界像を組み込んで発展したと判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀前半のドイツ語圏では神秘思想が興隆したが、その理由は、ユダヤ人の台頭に伴うユダヤ神秘思想の普及と従来考えられてきた。本研究は、自らユダヤ人であることに疑問を持ち独自の自然哲学を展開したデーブリーンの思想的土台を探ることにより、彼の作品において近代の宇宙像、中世の神秘主義、20世紀初頭の生活改善運動に見られる自然賛美が自然哲学に組み込まれていることを突き止めた。通常この三つは個別に考察されてきたが、本研究はこれらを結びつけてヨーロッパの自然観を考える意義を提起するものである。
|