研究課題/領域番号 |
17K13440
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山村 崇斗 筑波大学, 人文社会系, 助教 (30706940)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 名詞用法形容詞 / 生成文法理論 / 形態統語論 / PF削除 / 英語史 / 等位接続構造 / 形容詞残置名詞省略 / 省略構文 / 対照焦点 / 焦点認可分析 / 線形化 / Noun-less DP / HUMAN構文 / 形容詞 / 形態論 / 統語論 |
研究成果の概要 |
形容詞が名詞として機能しているような事例を、生成文法理論に基づいて分析した。人間を表す表現(例: the poorなど)の古英語の事例を分析する中で、類似構文である形容詞の後ろの名詞の省略(rice wif and earm 'rich woman and poor')が形容詞の対立(rich - poor)を条件としていることがわかった。通説では、このような省略は、形容詞が屈折する言語で可能とされているが、形容詞の対立を条件とすると、現代英語でも理論上可能と予測され、その通り観察されることを示した。また、従来、名詞の省略と考えられた古英語の事例の中には、そうでないものがあることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古英語は現代英語よりも、動詞や名詞、形容詞が豊かに屈折するので、特に語順については、無秩序のようにみえるほど自由だと思われているが、文法理論の視座からつぶさに観察してみると、語の配列にはやはり秩序があることがわかる。解釈上、そこにあるべき語が省略されるのは言語使用上当然の現象であるが、それがどのような条件下で起こるのかが今現在使われている言語でも、はるか過去に使われていた言語でも共通していることは、背後にある人間の言語能力の一貫性を示している。
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