研究課題/領域番号 |
17K13454
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 奈良女子大学 (2018-2019) 立命館アジア太平洋大学 (2017) |
研究代表者 |
前田 真砂美 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (00617342)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 現代中国語 / 程度性 / 副詞 / 補語 / 数量 / 比較 / 比較と数量 / 意味論 / 「差」の表現 / 程度補語の定義 / 程度副詞 / 程度補語 |
研究成果の概要 |
現代中国語の普通話(標準語)において程度性が言語化されるメカニズムについて、程度副詞、程度補語がそれぞれ担う意味論的、語用論的機能の面から考察した。動詞からの文法化によって副詞用法を獲得した程度副詞(主に単音節副詞)が、動詞の基本義を利用して程度性認識のプロセスをなぞることで大小さまざまな程度性を言語化し表現しようとするのに対し、程度補語は程度が深まることしか示さず、“多”を用いた程度補語は、程度の高さが潜在的または顕在的に存在する比較参照を大きく引き離して高いことを述べるものであり、二者間の差を示す数量補語とは語用論的機能が異なるものであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モノやデキゴトのような、ある程度の客観性が見込まれる物理的、外界的事実に対する言及に比べて多分に主観的、個人的である程度の高低の表出のメカニズムおよび語、形式の選択の動機づけを明らかにすることで、中国語という個別言語の研究分野だけでなく、言語の普遍性と個別性の観点から、言語類型論や対照研究の分野にも新たな視点を提供することができた。また、教学の面では、程度性以外の弁別的特徴を定義することで、程度性に係る語や形式が選択される動機づけを明確にすることができ、それらが用いられる場面設定を通して、直感的に理解しやすい説明が可能となる。
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