研究課題/領域番号 |
17K13479
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
本田 隆裕 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (20756457)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 格助詞 / 関係詞 / 前置詞 / 素性共有 / ラベル付け / 反ラベリング / 擬似受動文 / φ素性 / 格素性 / 演算子素性 / there構文 / 素性継承 / PRO / pro / 格フィルター / 抽象格 / 形態格 / ゼロ代名詞 / 言語学 / 生成文法理論 / 空範疇 / 空演算子 / 格 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本語格助詞と英語前置詞が空要素と共起できない点に着目し、両者に共通する特徴を探ることを目的とした。日本語格助詞は随意的に省略が可能な場合があるが、音形を持たないproは格助詞と共起することはできない。また、英語の関係代名詞はwh語である場合も空演算子である場合もあるが、前置詞の補部に現れた場合、関係代名詞は空演算子であってはならない。これらの現象を説明するために、日本語格助詞と英語前置詞はラベル付けに素性共有を必要とする弱い主要部であると提案した。さらに、再分析を対併合に基づいて捉え直すことで、前置詞の目的語にならないthat節が擬似受動文の主語として出現可能な理由を説明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語においては音形を持たない代名詞類であるproが出現可能であることと、日本語格助詞の脱落は多くの場合随意的であることはよく知られた事実であるが、proも名詞の一種であると考えた場合、proが現れた場合に格助詞脱落が義務的である理由は検討されていない。また、英語の関係代名詞は省略されることもあるが、前置詞と共起した場合は省略できないことが知られている。これらの事実は一見すると無関係に思われるが、音形を持たない空要素と共起できないという事実に着目すると日本語格助詞と英語前置詞の間には何らかの共通点が存在すると考えられ、その共通点を調べることで人間言語の仕組みの理解に貢献することを試みた。
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