研究課題/領域番号 |
17K13520
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 友和 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (10727788)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フランス植民地帝国 / 仏領インドシナ / フランス人民戦線 / ベトナム / ハノイ / 労働者住宅 / 社会政策 / フランス領インドシナ / 植民地帝国史 / ハノイ史 / フランス第三共和政 / 植民地帝国 / 植民地国家 / フランス |
研究成果の概要 |
本研究では、1936-38年に仏領インドシナで展開された労働政策がフランスとベトナムの「国民国家」の形成に大きな影響を与えたとする仮説の実証を試みた。一次史料の調査・分析から、フランス人民戦線政府が推進して導入した労働法や労働者住宅は、自国のモデルを導入した労働のあり方を追求する近代的なものであり、現地住民にある程度「受容」されたが、「実験的な」社会政策にすぎず、保護者・観察者であろうとするフランスは植民地での実験を通して「本国の」国民国家のあり方を追求し、他方、近代的な国民国家の構築が可能であると感じたハノイの労働者たちは「独自の」国民国家の建設を目指すようになったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、近代以降の労働のあり方を考えながら、植民地帝国をめぐる様々な研究に応用可能な指標と議論を提供している。フランスがインドシナに導入した労働モデルが受容されたのだとすれば、それはある程度普遍性をもち、現代にも応用可能なものであると考えられる。しかし、その管理と運用を持続可能なものとするには「国民国家」という枠組みが必要であった。本研究が注目した「近代性の実験」は、フランス(ヨーロッパ)とベトナム(アジア)における「近代性」の特質や限界を新しい視座から同時に再考する分析概念となる。そこから現代の「国民国家」を再考し、そのより良いあり方を追求することも可能である。
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