研究課題/領域番号 |
17K13528
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
大薮 海 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80748054)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 日本中世史 / 室町幕府 / 朝廷 / 興福寺 / 強訴 / 南都伝奏 / 南都伝奏 / 細々要記 / 日本史 / 中世史 |
研究成果の概要 |
強訴消滅後に朝廷・室町幕府と興福寺との間を取り次ぐ存在として史料上現れる南都伝奏については、登場時期については明らかにされていたものの、登場経緯については不明であった。 本研究では、強訴消滅前後の両者間の交渉を検討することにより、事実上神木入洛を伴う最後の強訴となった康暦の強訴において両者間を奔走した二条良基の活動が南都伝奏の原型となったことを明らかにした。また、その南都伝奏を通じて幕府から興福寺に対して高圧的な統制がなされたと考えられてきたが、それは興福寺別当の権威失墜とより上位の権力と結び付きたいという興福寺内部の動きがあってはじめて成立したものであることも指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世初期以来、強訴を手段として数々の政治的・経済的要求を実現させてきた興福寺が、室町時代になると武力に訴えることを控え、一転して政治的交渉により物事の解決を図るようになる。このことについては室町幕府の強大な権力と寺社権力の失墜という一般的な説明により理解されてきたが、個々の事例に即して検討する必要があり、またそうすることで従来の見方の偏りを是正することが可能となることを示すことができたと考えている。
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