研究課題/領域番号 |
17K13532
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中川 未来 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60757631)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ナショナリズム / 対外認識 / 地域社会 / 食塩 / 野﨑武吉郎 / 八木亀三郎 / 東邦協会 / 東亜同文会 / 在朝日本人 / 瀬戸内海 / 塩業 / アジア主義 / 興亜会 / 直輸出 / 野崎武吉郎 / ロシア貿易 / 北洋漁業 / 地域振興 |
研究成果の概要 |
本研究では、主に瀬戸内塩業者による直輸出運動の帰趨をアジア主義集団との関係に留意し跡づけることで、19世紀後半の日本社会におけるナショナリズムの形成過程を検討した。分析対象は、岡山県の野﨑武吉郎や愛媛県の八木亀三郎ら、その経済的基盤を塩田経営に置きつつもアジア諸地域への経済進出を図った実業家・生産者たちである。 1870年代以来中国や朝鮮市場への進出を目指した彼らは、市場調査能力を涵養すべく興亜会や東邦協会、日清貿易研究所、東亜同文会といったアジア主義団体と接触した。地域の実業家・生産者層の活動が、1880年代から90年代に醸成されたアジア主義と呼ばれる思潮を下支えしたのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会経済のグローバル化に伴い、世界各地でナショナリズムの主張が声高に発され、大きな力を持つようになってきた。本研究では日本史学の立場から、「地域」に軸足を置いたナショナリズムの解明を目指した。 具体的には19世紀末のグローバル化を受けとめ、「地域経済」を活性化すべく「アジア」へ経済進出を図った瀬戸内塩業者たちの行動を分析した。彼らは食塩の輸出を図るなかでアジア主義団体と接触し、アジア情報網や人脈を構築した。「愛郷心」に基づく経済活動がいかなるアジア情報により動機づけられ、どのようなアジア像を結び、ナショナリズムを形成したのか。本研究は19世紀末の経験から現在を照射しようとした試みである。
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