研究課題/領域番号 |
17K13546
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 亨 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (20712219)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 明代 / 皇帝制度 / 内閣制度 / 編纂事業 / 明朝 / 官僚制度 / 対モンゴル政策 / 地理書 / 東洋史 |
研究成果の概要 |
本研究では、モンゴル方面に対する明朝の影響力の推移が、明朝中央の政治制度にいかなる変遷の契機をもたしたのかを究明した。その結果、土木の変に象徴される明朝の軍事的プレゼンスの後退が顕著になったことを契機として、皇帝の冒険的行動を抑制しつつ、安定的な皇位継承を行うための制度の整備が促され、それを担う内閣の職掌が形成されたことを明らかにした。また、ほぼ同時期に、明朝の国家としての自画像を描くために官撰の地理書・歴史書が編纂された経緯を究明した。これらの成果により、北方との関係は、明朝の政体のあり方、さらには国のかたちについて変容を迫る画期をもたらす要因であったことを把握した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
明朝については、皇帝権力が極度に増大した時代であり、内閣はそれに付随する秘書的な存在と見なされてきた。しかし、むしろ内閣は、皇帝制度の管理者として新しい職掌を獲得してきたことを明らかにし、従来の明代政体のイメージに再考をせまる視角を提示した。また、モンゴル方面との関係の推移が、そのような職掌の確立をうながす引き金となったことを示したことで、明朝の政治制度に変容をもたらした根本的な画期を把握するためには、より広くユーラシア東部の動向に視野を拡張すべきことを提唱できる。
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