研究課題/領域番号 |
17K13555
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 創価大学 (2020-2023) 東北大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
帆北 智子 創価大学, 文学部, 准教授 (90713214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 貴族 / 政治・外交ネットワーク / ロレーヌ騎士団 / ロレーヌ大騎士 / 境域権力 / 近世ロレーヌ史 / 定量分析 / 統計分析 / 境域 / ロレーヌ公国 / 神聖ローマ帝国 / フランス王国 / ネットワーク分析 / 領域性 / ロレーヌ貴族 / 所領 / 官職 / 大騎士 / 境域国家 / ロレーヌ公権 / フランス王権 / 神聖ローマ帝権 / ネットワーク / 家系分析 / 近世ヨーロッパ地域史 / 貴族社会 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,ロレーヌ公国の貴族が公国の外部にその社会的,政治的紐帯を広げていきながら,ロレーヌ固有の自己意識を形成し,あるいは強化していったという,一見すると矛盾してみえる歴史現象について,ロレーヌ貴族社会に内在しただろう集団的アイデンティティ観から理解することである。そのため本研究では,ロレーヌ騎士団を対象として分析を行うことで,騎士団を中核とした政治・外交ネットワークの措定したうえで,ロレーヌ騎士団に共通する家系的戦略や行動原理といった,集団的アイデンティティ観に繋がる諸要素を析出しようと試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の近世ロレーヌ史研究は,ロレーヌ公国が仏独の利害に従属的であった面や,フランスへの統合を自明の前提とした議論が一般的だった。これに対して本研究は,ロレーヌ貴族が構築した越境的な権力構造に関する政治文化史的な分析によって,ロレーヌの主体的で自律的な側面にアプローチした。ここから,従属的とされた仏独との権力関係を実態レベルで捉え直すことで,ロレーヌに関する従来の史的評価を刷新しようとする射程をももつ。このような試みは,ロレーヌを「境域国家」とする概念枠組みの有効性を歴史学の観点から提言するものであると同時に,従来のヨーロッパ史像を再考,あるいは新たに追究しうる材料を提供するものである。
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