研究課題/領域番号 |
17K13585
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東洋大学 (2018-2019) 国立民族学博物館 (2017) |
研究代表者 |
左地 亮子 (野呂) 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50771416)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ジプシー / ロマ / ノマド / ノマディズム / 移動生活 / 共同体 / 市民社会 / フランス / 人類学 / 旅 / 巡礼 / ゲットー / 文化人類学 / マイノリティー |
研究成果の概要 |
フランスのジプシー・マヌーシュは、移動という生活様式をとりながら定住民社会の隙間に散在して暮らしてきたが、現在、進行する定住化とそれに伴う居住政策の下で、一つの名と特定の場をもつ「共同体」として一元化、周縁化されつつある。本研究は、この人々を「ジプシー共同体」として集約し隔離する諸力との交渉の中で、マヌーシュが新たに紡ぐ「旅の共同体」に着目し、押し付けられた共同体を離れ、束の間の旅をするマヌーシュが、異質な他者との出会いを通して市民社会内部に創出する非同一的な共同性を明らかにする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ジプシーの「旅の共同体」という視座から、普遍性と差異という対立軸に還元されがちな市民社会とマイノリティの関係を問い直すものである。西欧社会の隙間でその社会的条件と権力の作用(そしてその矛盾)を引き受けながら生きてきたノマドが、今日新たに紡ぐ非領土的で非同一的な共同性を明らかにする点で、本研究は現代社会に潜在する普遍的で活力ある人間の関係性をめぐる問題に新たな知見を提示する。また、移民や難民など、移動を活発化させている非ノマドをめぐって深刻な社会問題を抱える今日の社会の実態を捉え、その将来像を展望する上で看過できない民族誌的事例を本研究は提示している。
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