研究課題/領域番号 |
17K13588
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 神戸大学 (2018-2020) 東北学院大学 (2017) |
研究代表者 |
酒井 朋子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90589748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 手工芸 / チリ / アイルランド / 記憶 / 展示 / 政治暴力 / 東日本大震災 / 共同作業 / 戦争 / 災害 / 集合的記憶 / 非言語的物語 / アート / 日常 |
研究成果の概要 |
本研究では、震災、戦争、政治暴力の経験を共同作業として綴る活動の意義と、ことば以外の手法による歴史証言の可能性を探った。軍政期チリで発達したタペストリー作りや、戦争あるいは東日本大震災にかかわる手工芸作品の展示活動と調査を通じ、暴力の記憶とともに生きる上で手仕事活動がもつ意味や、手仕事活動が媒介するかかわりの重要性が明らかになった。また政治暴力と災害のような文脈の異なる歴史経験であっても、困難な状況を共同で生き抜こうとする日常のミクロな実践のなかには共通性が見出された。その共通性はときに、手仕事作品の手ざわりや素材の象徴性を通じ、言葉や地域的条件の差を超えて人にうったえかけるのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究プロジェクトは災害や暴力の体験にかかわる手仕事作品を分析するとともに、それらの展示企画を行い、その実践過程で見えてくることをも検討対象に含めた。またその展示実践からえた経験を、国際的に活動する研究者やキュレーターとも共有することで、非言語的な媒体を通じて伝わりうるものを明らかにすることができた。戦争、政治暴力や震災の記憶、およびそれらの体験の表現は、過去30年間、社会的にも人文・社会科学的にも幅広い関心を集めてきたが、プロの表現者ではない人間たちによる非言語的な作品や表現の分析はほとんど見られなかった。ゆえに本研究の成果は記憶継承の社会活動にとっても学術的にも大きな意義をもつと考える。
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