研究課題/領域番号 |
17K13594
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
八木 百合子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80622133)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アンデス / ペルー / キリスト教 / 聖人信仰 / 聖像 / 所有 / 継承 / モノ / カトリック / 宗教的なモノ / モノ研究 / 物質文化 / 宗教 / 信仰 / 文化人類学 |
研究成果の概要 |
本研究では、現代アンデス地域における聖人信仰の展開をとらえることを目的に、人々が所有する聖像の実態とその継承プロセスについて調査分析を行った。聖像の継承に関する調査では、親族間での世代を越えた垂直的な継承や友人など親しい間柄で行われる水平的な継承に加えて、第三者からの継承というこの地域特有のパターンが存在することが判明した。特にこの第三者との間での継承を支えているのが、リモスナ(施し)という言葉に代表されるキリスト教的な考えであり、そうした宗教的な信仰と人々の主体的な実践が聖像というモノの継承とその信仰の発展を可能にしてきた点を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は第一に、聖像というモノに着目し、その継承プロセスを明らかにした点である。ここでの継承は、一般の人々の手を介して行われるものであり、教会や宣教師の活動を中心にした場合とは異なるレベルで展開されるものである。第二に、モノとそれをめぐる人々の実践に注目し、聖人信仰の拡がりを捉えた点があげられる。従来のキリスト教研究は、物質よりも精神を重視する立場にあるため、モノとの関わりから信仰について論じることは否定的に捉えられてきたが、信仰の発展におけるモノの重要性に光をあてた本研究は、宗教研究の新たな可能性を切り拓く視点を提供したといえる。
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