研究課題/領域番号 |
17K13607
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山田 哲史 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (50634010)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 法律の留保 / (民主的)正統性 / グローバル化 / 立憲主義 / 法治主義 / 統治構造 / 権力分立 / 民主政論 / 法律 / 憲法的刑事訴訟法 / 憲法と行政法 / 議会と裁判所 / グローバル公法 / 刑事手続と法律による統制 / 法律の優位 / 刑事手続の法律による規制 / 国際法適合的解釈 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化やそれとも密接に関わる、情報通信技術の発展に代表される科学技術の発展によって、従来の公法学が描いていた、一国の議会による、国家作用、あるいは社会の民主的統制、あるいは構築というイメージは大きく揺らいでいる。つまり、グローバル化によって一つの国家だけで決定できる事項は減少している。そのような状況の中で、国内議会が今後になっていくべき役割としてどのようなものがあり、それは従来のものとどのように違っている(もちろん、違わない、変えるべきではない場面もありうる)のかを、隣接法分野の知見も援用しながら、公法学(なかでも憲法学)の見地から検討するのが、本研究の内容である。
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研究成果の概要 |
法律の留保論の伝統的理解と現代的展開について、母法国(独・墺)の議論の再確認から始め、刑事捜査や危険予防のための国家の介入行為に対する法律を通じた規制とその実効的実現について、国内統治機構全体を視野に入れて検討した。 その結果、とりわけ我が国の統治構造のあり方について、従来型の立憲主義・法治主義を前提とした規律論に従ってなお改善の余地がある一方、従来型の規律概念は十分対応できないところがあることも分かった。 さらに、従来型の法律の留保論や、その根本にある、法治主義・立憲主義が妥当しないグローバルな場面についても検討を深め、グローバル化の下での公法的統制の一般理論の概要を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
法律による行政活動の統制の意義が、とりわけ行政実務において、必ずしも十分に理解されていないところのあった、我が国において、その伝統的な意義と、その現代における変容、限界を明らかにした本研究は、日本における今後の、統治構造、あるいは、政府による統治にはこだわらない「ガバナンス」の構造を構想する(例えば、経済産業省を中心に検討が進められてきた、アジャイル・ガバナンス構想などを参照)上で、重要な参照点を提供する。 また、グローバル化を始め、複雑性、不確定性を増す現代における、公法、さらには法のあり方の理解を根本的に問い直す必要性を提示し、概略ながらその一般構想を示したことは、学術的にも重要である。
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