研究課題/領域番号 |
17K13633
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小浦 美保 岡山大学, 法務研究科, 准教授 (80547282)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 違法収集証拠 / 不公正証拠 / 刑事訴訟法 / 権利保護 / 違法収集証拠排除法則 / 重大な違法 / 違法捜査の抑制 / 刑事法学 |
研究成果の概要 |
本研究では、適正手続の保障や権利保護といった観点から違法収集証拠排除法則を改めて捉え直すことで、証拠排除の要件を整理した。 すなわち、最高裁昭和53年判決のいう「令状主義の精神を没却するような重大な違法」とは、利益衡量の要素をいれない、違法ないし権利侵害の実質が明らかとなるものでなければならず(絶対的評価)、裁判においては、違法の程度まで含めて、違法の宣言をしつつ、証拠排除の要件の一つを示すことになる。そして、「将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる」とは、証拠排除に関わる利益を衡量し、証拠の排除を判断していくための基準とみることになる(相対的評価)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以上のような整理に基づく違法収集証拠排除法則によれば、証拠獲得手続の違法の実質をその程度も含めて宣言することができ、証拠の排除がなされない場合であっても、当該捜査の問題性を周知する役割を果たすことができる。また、「違法ではあるが重大違法ではない」という判示によるミスリーディングを回避できるとともに、裁判所や捜査機関は、手続の違法に正面から向き合うことが求められる。そして、現状よりも緻密な排除相当性判断を必要とするものになるため、証拠排除判断過程の顕在化が期待できるものと思われる。
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