研究課題/領域番号 |
17K13642
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
岩本 尚禧 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (80613182)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 民法 / 錯誤 / 詐欺 / 損害賠償 / 主張制限 / 不実表示 / ドイツ / イギリス / 責任 / 債権法改正 / ドイツ法 / イギリス法 |
研究成果の概要 |
錯誤者は過失ある表意者であるにもかかわらず、我が国では錯誤者の責任について十分に検証されていない。そこで、ドイツ法とイギリス法を比較法として取り上げ、日本錯誤法の特殊性を分析し、以下の知見が得られた。①我が国では故意の立証が難しく、詐欺の被害者が錯誤法に救済を求めた結果、本来は「過失ある表意者」であるはずの錯誤者を免責することが正当化されてきた、②ドイツ・イギリスでは一方で錯誤者の責任は厳格に捉えられ、他方で詐欺の概念が拡大されていることで過失ある欺罔者も責任を負う、③錯誤と詐欺が密接に絡み合う中、我が国では「過失ある表意者に甘い」という実態が浮き彫りとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日々生じる詐欺被害に対して、①詐欺概念を拡大することで対処する方法が本筋であろう。しかし、我が国では詐欺の立証が著しく困難で、かつ「騙された者にも落ち度がある」という風潮から、①は避けられ、②錯誤概念を拡大することで対処されてきた。本研究の意義は、ドイツ法とイギリス法の分析を踏まえ、我が国の解釈態度が錯誤の歪な解釈を導き、かつ「騙した者勝ち」を助長する不当なものであることを明らかにした点にある。
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