研究課題/領域番号 |
17K13667
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
馬場 香織 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (10725477)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 麻薬紛争 / 自警団 / メキシコ / 比較政治 / メキシコ政治 / 自警団運動 / 暴力と政治 / 社会運動 / 暴力 / ラテンアメリカ / 集合行為 |
研究成果の概要 |
本研究ではメキシコの麻薬紛争に着目し、暴力が人々の日々の生活を脅かすなかで、非常にハイリスクな集合行為である自警団運動が発生、拡大する条件についての分析を進めた。麻薬紛争の下、とりわけ貧困状況の厳しい辺境地域において、市民に対する暴力被害が急激に高まり、腐敗した地方当局に代わって市民の保護を担いうる公的機関も存在しないなかで、自警団運動が市民にとって現実的な選択肢となっていった過程を論じた。とくにミチョアカン州で勃興した自警団運動に着目し、強固な組織構造の存在や地元コミュニティの連帯、高い戦闘能力、そしてフレーミングの効果が、大規模な運動への発展に寄与したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
麻薬紛争下の自警団運動は、参加者自身やその家族までを危険に晒す非常にハイリスクな運動である。それにもかかわらず、なぜ人々は自警団を組織したり、戦闘に参加したりするのだろうか。ミチョアカン自警団に着目した本研究の成果は、研究がまだ十分になされていないメキシコの自警団運動の生成メカニズムについてだけでなく、広く紛争研究における暴力的集合行為の発生条件に関する研究にも示唆をもつ。社会的意義としては、麻薬紛争によってもっとも影響を受ける一般の人々に焦点を絞ることによって、フォーマルな政治だけでは捉えきれない実態をみる視角を提示した点をあげることができる。
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