研究課題/領域番号 |
17K13842
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 松山大学 (2020) 明治学院大学 (2019) 立命館大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
根本 雅也 松山大学, 人文学部, 准教授 (00707383)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 原爆 / 記憶 / 東南アジア / 日本 / 戦争の記憶 / 加害と被害 / ヒロシマ・ナガサキ / 被害と加害 / 社会学 / 戦争 / グローバリゼーション / ヒロシマ |
研究成果の概要 |
本研究は、暴力の記憶のグローバル化の可能性を検討するため、東南アジアにおける、広島・長崎への原子爆弾の投下が持つ意味の諸相を探った。特にシンガポールでの現地調査から浮かび上がったのは原爆の災禍が持つ意味の二面性であった。一方では、日本による占領や支配が負の記憶として大勢を占める中で、原爆の投下は日本の支配からの解放のシンボルとなっていた。他方で、少ないながらも、核兵器という暴力がもたらした苦しみに対するまなざしも垣間見られた。 また、日本国外で原爆展や証言活動など実施する日本の関係団体の調査からは、原爆の災禍に見出される意味が当該の団体の目的や相手の地域によって変わりうることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義の一つは、これまで顧みられることの少なかった東南アジアにおける原爆の表象を探ったことにある。東アジアと同様に、日本による占領・統治を経験した地域では、アメリカによる原爆の投下に肯定的な意味が付与されていた。他方で、核兵器という新しい兵器の登場やその破壊力は、肯定的な意味だけにはとどまらない意味を持つことを垣間見せていた。後者は原爆の災禍が世界的に共有されうる可能性を示すものであり、本研究の社会的意義といえよう。
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