研究課題/領域番号 |
17K13846
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
平井 勇介 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (60757524)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 環境保全 / 地域づくり / 社会学的モノグラフ / 地域開発 / 地域コミュニティ / コモンズの開放 / 私的権利の制限 / 資源管理 / 干潟再生 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、公共事業等の開発によって漁場が失われた経験から、地元が生み出してきた環境保全型地域づくりの論理を社会学的モノグラフを通じて明らかにすることであった。 地元の環境保全型地域づくりの土台には、自然の微細な変化を察知する経験知がある。事例地ではこうした経験知をもつ人が、地元をまとめ、国や県との交渉をおこなってきた。この経験知は地元の者同士でも簡単に伝えられるものではなく、当然国や県との交渉においては説得力を持ちにくい(科学的説明ができないため)。そのなかで、どう地域をまとめ、外部と交渉し、漁場を残してきたのかという点を意識し、今後も調査をすすめ、社会学的モノグラフの完成を目指したい。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は、自然と人の関係性の貧困化という現代的な社会問題への解決の糸口を見いだせる点である。農地・山林の荒廃や野生動物被害の問題は、自然の過少利用によって生じてきた側面がある。一方で、農林漁業は成長産業として国家政策に位置づけらえ、大型産業化がすすめられ、自然の過剰利用がみられる。この両極端にみえる現象に通底するのは、自然と人の関係性が多様性を失い、人びとの営みと自然とが疎遠化しているという課題である。本研究は、日本の近代化の中で、この課題を意識せざるを得なかった人々の実践(現代において自然との関係を結びつつ生活を維持する)を描き、その論理や考え方を抽出するものである。
|