研究課題/領域番号 |
17K13946
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
臨床心理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 尚 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (60735075)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 青年 / 自殺対策 / 傍観者心理 / 支援行動 / アート表現 / 情動 / 共有 / 傍観的心理 / 援助行動 / プログラム / 若年者 / 傍観者 / 支援行動促進 |
研究成果の概要 |
本研究は青年の自殺対策を目的に3つの調査を行った。調査1では独自に作成した質問紙を青年学生に実施し、現代青年の希死念慮経験や周囲の希死念慮への反応と対応の特徴、傍観者心理の実態を明らかにした。調査2では質問紙調査を全国の青年に拡大し、傍観者心理への影響因と支援行動促進要因を検証した。結果として、傍観者心理には個人の経験や態度が関係しており、支援行動の喚起には情動的な反応が重要であることを明らかにした。この結果を受け、調査3では心理的危機を経験した青年へのアートグループを実施し、表現行為による心理的変容やその過程を他者と共有することの意義、表現作品が周囲の支援行動を引き出す可能性を検証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在日本国内では若年層の自殺が減少していない状態が続いており、対策が急務である。本研究は現代の青年にとっての有効な自殺対策を検討することを目的に、これまで十分に調査されてこなかった青年の「本気で自殺したいと思った」経験の実態、青年が周囲の「死にたい」という声に示す反応や対応の特徴、周囲の危機への傍観者心理の傾向を明らかにした。そして、青年の自殺を防ぐためには知識の普及や予防教育だけでは不十分であり、危機的な状態にある人の心模様を体感的に知り、情感を伴った支援意識を促進することが重要なことを示した。これらの結果と取り組みは、今後の日本の青年の自殺対策に寄与しうるものと言える。
|