研究課題/領域番号 |
17K14104
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西沢 望 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80511261)
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研究協力者 |
宗片 比呂夫
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピンフォトニクス / 円偏光 / 発光ダイオード / 酸化絶縁膜 / スピン注入 / 酸化膜 / 光源開発 / 半導体光デバイス |
研究成果の概要 |
スピン発光ダイオード(Spin-LED)における純円偏光発光の再現性の向上および発光メカニズムの解明を目指した。まず、スピン注入デバイスの枢要であるトンネル絶縁膜の品質向上を注力したが、Spin-LEDの再現性の大きな改善には至らなかった。次に結晶性酸化アルミニウム層と半導体LED構造間にAlAs層を挿入したHybrid型トンネルバリア(HTB)を採用したところ再現性が劇的に向上した。HTBを有するSpin-LEDにおいて安定的に純円偏光発光が見られたことから発光スペクトルの解析が進捗し、最終的には発光メカニズムとして非対称スピン緩和と非対称再吸収による仮説を立てるに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Spin-LEDはこれまでの研究により電気的に偏光制御が可能で、外部磁場なしに純粋円偏光を発光する実用的な円偏光光源となり得ると示されてきたが、素子の安定性に問題があった。本研究の成果であるHBTにより安定的な円偏光発光が得られるようになり実用に大きく前進したと言え、半導体スピントロニクス最初の室温動作する実用デバイスになると期待される。また、学術的にも円偏光増強のメカニズムの解明が進み、円偏光が伝搬する半導体中におけるキャリアと光の非線形効果という新たな研究課題を創出したと考えられる。
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