| 研究成果の概要 |
先行研究において, 次元の小さな有限幾何構造や有限体上の指数の小さな乗法部分群の構造を利用した有限体上のデザイン・グラフ・符号構成法が提案されたが, 超平面交差数やガウス和の計算困難性から得られる構造のクラスが制限されてきた. 本研究では, 有限群の作用と有限体の拡大の性質を利用した高次元有限幾何構造を扱う手法や高い指数の円分数を計算する手法を開発した. 特に, 既存の歪アダマール差集合とは非同型な差集合の構成, 新たなパラメータでの歪アダマール差集合族の構成, 新たな次数のアダマール行列の構成, 3値のガウス周期に基づく強正則グラフの構成を行い, 既存の構成理論を一般化することができた.
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| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デザイン・グラフ・符号はそれぞれ, 統計学・ネットワーク・情報通信に応用され, 我々の日常生活の背後にある重要な離散構造である. 一方, その存在性に関しては, 未解決な部分が多く組合せ論における重要な研究課題である. 特に, 本研究は, 有限体上の差集合・強正則グラフ・Griesmer符号と呼ばれるデザイン・グラフ・符号について, 有限幾何・整数論・群論的手法を組み合わせた新手法を考案し, 多くのパラメータで存在性が未知であった上記組合せ構造の存在性の解明を行った.
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