研究課題/領域番号 |
17K14247
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
泉 拓磨 国立天文台, ハワイ観測所, 特任助教 (40792932)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 活動銀河核 / AGN / トーラス / サブミリ波 / ALMA / 輻射駆動噴水モデル / ガス輝線 / 活動銀河中心核 / 流体計算 / 電波天文学 |
研究成果の概要 |
活動銀河核(AGN)とは、銀河中心に存在する質量降着を伴う超巨大ブラックホールである。AGNの周囲にはドーナツ状の「トーラス」という構造があると考えられており、AGNの性質やブラックホールの宇宙論的進化を論じる上で重要である。その一方、30年以上前に提唱されたこのトーラス構造の物理的起源は謎のままであった。本研究では、トーラスの実体は多相星間物質がAGNの強力な輻射を浴びて織りなす多層力学構造であるというモデルを、最新の電波干渉計ALMAを用いた高解像度な分子・原子ガス観測で検証した。観測結果は理論予測と見事に整合しており、長らく謎であったトーラスの起源を示した重要な成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
活動銀河核トーラスは、宇宙の古今にわたる活動銀河核、すなわち超巨大ブラックホールの周辺構造の中でも根幹をなす重要構造である。その一方で、提唱から30年以上にわたってその物理的な形成過程は不明なままで、いわゆる「ドーナツ型」モデルが便宜的に利用されてきた。本研究では、そのトーラスの物理的起源を「輻射駆動されたガスの噴水構造」にあるとし、ALMAを用いた最新の高解像度観測からその検証を行なった。観測結果は理論予測と非常によく整合しており、輻射駆動噴水モデルの妥当性を示している。これにより、トーラスは決して静的な構造ではなく、多相ガスが織りなす非常にダイナミックな構造であることが明らかとなった。
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