研究課題/領域番号 |
17K14316
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2018-2019) 東北大学 (2017) |
研究代表者 |
荒木 康史 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (10757131)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トポロジカル物質 / 磁性体 / トポロジカル絶縁体 / ワイル半金属 / 磁壁 / スピントロニクス / 磁気構造 / 物性理論 / スピンエレクトロニクス / 半導体物性 / 磁性スキルミオン |
研究成果の概要 |
本研究課題では、物質の磁化(スピン)が局所的に非一様な構造を持った、「磁壁」「スキルミオン」と呼ばれる磁気構造の新奇な性質を探すことを目的として、特殊な電子状態(バンド構造)で特徴づけられる物質群「トポロジカル物質」に着目し、その中での磁気構造の性質を理論的に調べた。3次元の「ワイル半金属」においては、磁気構造があると電子が局在して帯電し、磁気構造の運動に伴い電流が誘起されることを示した。「トポロジカル絶縁体」の2次元界面においては、磁気構造の存在によって電子の異常な輸送現象が誘起されることを示した。これらはいずれも電子の特殊な性質に起因しており、通常の磁性体では見られなかったものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性体の中では一様な磁化の他に、壁状の構造「磁壁」、渦状の構造「スキルミオン」など、局所的に非一様な構造が現れることがある。磁性体の磁化操作の技術応用を目指す「スピントロニクス」において、非一様な磁気構造を情報の担い手として情報素子に活用する試みが活発に行われている。本研究課題では、新たな電子状態を持つ物質「トポロジカル物質」を使うことにより、磁性体の磁気構造と電子の間に今まで見られなかった関係が発現することを示した。この性質を使うことにより、磁気構造を外部から電気的に操作・検出することが可能になると示唆され、ナノスケールの情報素子をデザインする際に役立つことが期待される。
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