研究課題/領域番号 |
17K14326
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
延兼 啓純 北海道大学, 理学研究院, 助教 (60550663)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | スピン三重項超伝導 / トポロジー / 量子アノマリー / 高温超伝導 / 超伝導-絶縁体転移 / カイラルp波超伝導 / 量子異常 / ルテニウム酸化物 |
研究成果の概要 |
層状ルテニウム酸化物超伝導体薄膜Sr2RuO4における電子輸送特性を調べることによって、チャーン不変量によって特徴づけられた数理構造を明らかにした.外部磁場なしで分数量子ホール抵抗、及び磁場印加による層間方向における分数電気分極効果を観測した.これらの結果は、量子異常に起因した分数トポロジカル電気磁気効果であることを提案した. Ca2RuO4薄膜において高温超伝導(オンセットTc~96K)を発見した.2次元超伝導に特徴的なBerezinskii-Kosterlitz-Thoukless転移を観測した.またバイアス電流及び膜厚依存性を持つ超伝導-絶縁体転移とその臨界指数を実験的に明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年トポロジ-を切り口とした物性研究が盛んに研究されている.その中でもスピン三重項超伝導・超流動は最も興味深い研究分野の一つである.スピン三重項超伝導微小試料内で実現する量子異常による新奇量子状態を微細加工や測定手法により制御することでトポロジーや双対性、非可換性物理の開拓に繋がる. これまでルテニウム酸化物における高温超伝導は実験的に報告されておらず、本研究における成果は初めて得られたものである.“室温超伝導の実現”は21世紀物理学への大きな問いかけであり、高温超伝導研究、室温超伝導の探索にナノ技術が加わることでTcを制御する新たな転換となることが期待される.
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