研究課題/領域番号 |
17K14329
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松下 ステファン悠 東北大学, 理学研究科, 助教 (90773622)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / 熱電材料 / 薄膜 / 電子輸送特性 / ゼーベック効果 / 量子ホール効果 / ゼーベック係数 / 異常ホール効果 / 熱電物性 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、非常に高いバルク絶縁性を持つBi2-xSbxTe3-ySeyとSn-Bi1.08Sb0.9Te2Sの2つの3次元トポロジカル絶縁体(3D-TI)単結晶薄膜を用いて、3D-TI表面のディラック電子の熱電物性の測定、およびその熱電輸送メカニズムの解明を行った。高品位試料の作製に成功したことにより、それぞれの単結晶薄膜において表面ディラック電子の熱電輸送観測に初めて成功し、通常の金属状態や、現在研究されている他の2次元材料を上回る熱電性能を有すること、超薄膜化によってさらなる熱電性能の向上すること、それらが表面電子の特異な電子緩和時間に起因することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、理論的に提言されつつも実証されてこなかった3次元トポロジカル絶縁体の熱電性能に対し、初めて表面ディラク電子の熱電輸送特性を明瞭に観測し、そのメカニズムの一旦を明らかにした。特に、電子緩和時間のエネルギー依存性は、従来の材料研究ではほとんど考慮されなかった事象であり、それによる熱電性能の向上を示唆した本研究は、熱電材料開発に新たな指針を見出したと評価できる。更に、本研究で開発した3D-TI薄膜は大面積試料であり、今後の熱物性研究や応用利用にも大きく寄与できる。TI表面における高い熱電力(PF)を実証できたことで、今後、TI材料を用いた熱電材料研究を促進できると期待する。
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