研究課題
若手研究(B)
本課題では、電子が空間的に運動することに付随する量子力学的効果について理論的研究を行った。期間中に行った研究を箇条書き的に列挙すると、「超流動体・超伝導体における軌道運動効果」、「磁場中Dirac系の量子臨界性」、「光渦による軌道運動効果」、「近似的な磁気並進対称性」などである。まず、中性超流動体における軌道角運動量パラドックスを議論した。特に、軌道角運動量の振る舞いがパラドックス的に振る舞う原因として、この物理量の非熱力学性を指摘した。また本課題では、相互作用するDirac系の磁場中物性を理解するために、数値計算を用いて量子相転移の様子を明らかにした。
カイラル超流動体の軌道角運動量パラドックスについては、それまで40年間の研究の歴史の中で、そもそも軌道角運動量の値が何かしら定まっており、問題はその値を明らかにすることであると考えられてきた。研究代表者が示したことは、そもそも軌道角運動量はバルクに定まった値をもたず、表面条件などの普段は無視してしまう条件に非常に敏感に依存する、ということである。これはこの問題を根本から問い直すものであり、問題の解決に向けた重要な一歩であるということができる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (35件) (うち国際学会 10件、 招待講演 6件)
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