研究課題
若手研究(B)
X線自由電子レーザーを活用した時間分解共鳴磁気光学測定によって強磁性垂直磁化薄膜の磁性ダイナミクスを明らかにし、光照射で物質の磁性が制御される全光ヘリシティ依存スイッチング(AO-HDS)の起源に迫った。L10-FePt薄膜の時間分解X線磁気円二色性測定やCo-Pt超格子薄膜の時間分解磁気光学カー効果測定から、Ptサイトの消磁の時間スケールがFe・Coサイトに比べ6倍以上長いことが明らかになり、ダイナミクスのサイト依存性がAO-HDSのメカニズムに不可欠である可能性が示唆された。
近年では電子計算機の処理速度の高速化に伴い、記憶媒体の応答も高速であることが要求されるようになりつつある。本研究で得られた薄膜磁性の光照射に対する応答についての知見は、基礎的な物質科学への貢献にとどまらず、光を利用した高速かつ効率的な磁化の制御が可能となる条件の解明を通し、優れた磁気記憶媒体の開発や今後のスピントロニクスの発展にもつながると期待される。
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Applied Physics Letters
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