研究課題/領域番号 |
17K14337
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
家永 紘一郎 東京工業大学, 理学院, 助教 (50725413)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ネルンスト効果 / 渦糸 / 磁束量子 / 超伝導薄膜 / 超伝導-絶縁体転移 / 量子相転移 / ボースグラス / 量子凝縮 / ボーズグラス / 第二種超伝導体 / 量子渦 / 熱電効果 / 超伝導絶縁体転移 |
研究成果の概要 |
乱れた2次元超伝導体の極低温高磁場域の絶縁相内で予想されている渦糸ボース凝縮を、熱電効果測定によって調べた。超伝導アモルファスMoxGe1-xの3次元膜に対する予備実験(T>5K)では、熱的渦糸液体相において明瞭な熱電信号を観測し、超伝導ゆらぎ領域と区別されることを示した。次に2次元薄膜を100mKまで測定したところ、金属的量子渦糸液体相に対応する極低温低磁場域で、明瞭な渦糸信号を観測した。しかし試料の乱れが弱いためか、高磁場において渦糸凝縮絶縁体相を示唆する顕著な負の磁気抵抗は観測されず、熱電信号もその付近で消失した。今後は乱れを強めた試料を作製し、渦糸量子凝縮の探索を進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子層近くまで薄くした超伝導体に極低温で磁場を加えていくと、超伝導が完全に壊れて絶縁体となる前に、超伝導体内を貫く磁束(渦糸)が量子効果によって凍らず液体状態になった金属や絶縁体状態が現れることが予想されている。特に絶縁体相では多数の磁束が1つの波に凝縮した特異な現象が予想され、それが検証できれば大きな学術的意義をもつ。本研究ではこの現象を最も明確に検出できる、熱流に対する磁束の応答を測定する実験手法を確立させた。その結果、磁束が量子液体状態となった金属相があることを明らかにした。これにより磁束が量子凝縮した絶縁体を検証する準備が整った。
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