研究課題/領域番号 |
17K14338
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山川 洋一 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (60750312)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 強相関電子系 / 軌道秩序 / 磁気秩序 / 鉄系超伝導体 / 銅酸化物 / 超伝導 / ネマティック秩序 / ボンド秩序 / 軌道自由度 / 軌道揺らぎ / 磁気揺らぎ / 銅酸化物高温超伝導体 / 物性理論 |
研究成果の概要 |
本研究では、高次多体相関を記述するバーテックス補正を考慮した理論を用いて、鉄系超伝導体、銅酸化物高温超伝導体における電子状態を解析した。その結果、強相関系で発達するスピン揺らぎが干渉効果を起こすことで、電子ドープFeSeにおける軌道揺らぎの発達と、それに起因した高温超伝導発現機構を明らかにした。加えて、FeSeの圧力誘起磁気転移を説明した。超伝導対称性と実験との対応を明らかにするため、中性子散乱によるレゾナンスピークを解析し、軌道揺らぎ由来の超伝導説明できることを見出した。さらに銅酸化物高温超伝導体の電荷密度波および擬ギャップ現象の起源として、ボンド秩序やスピン流秩序などの機構を提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄系超伝導体をはじめとした多軌道強相関電子系では、電子の軌道・電荷・スピン自由度に起因して、様々な興味深い性質が現れる。本研究で明らかにしたバーテックス補正に起因した軌道揺らぎの発達とフルギャップs波超伝導発現の機構は、電子ドープFeSeの高温超伝導、ひいては鉄系全般の超伝導発現機構解明に貢献する結果である。また、銅酸化物高温超伝導体で新たに発見された電荷密度波、および擬ギャップ現象の起源として、バーテックス補正に起因したボンド・スピン流秩序という新機構を提唱した。鉄系および銅酸化物系超伝導体では、共にスピン・軌道・電荷の結合という共通の物理があり、強相関電子系において広く実現が期待される。
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