研究課題/領域番号 |
17K14350
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
酒井 志朗 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 上級研究員 (80506733)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 準結晶 / 超伝導 / フラクタル / 準周期系 / 非従来型超伝導 / FFLO状態 |
研究成果の概要 |
準結晶中で起こる超伝導の基本的性質を明らかにするとともに、磁場下で新しいタイプの超伝導状態を見出した。準結晶の原子配列は規則正しいものの周期的でない。従って、準結晶中を動く電子はフェルミ面をもたない。一方、超伝導の基礎理論であるBardeen-Cooper-Schrieffer(BCS)理論は、フェルミ面上での2電子が対を成すことを出発点としている。この前提が崩れる準結晶は、BCS理論が導く性質とは異なる超伝導物性を示す可能性がある。実際に、数値計算により種々の性質についてBCS理論の予測とは有意に異なる結果を得た。また、磁場下において秩序変数の符号の空間変化を伴う新しい超伝導状態を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
準結晶超伝導体の基本的性質を明らかにしたことは、今後の準結晶超伝導研究の土台を与える。特に、準結晶超伝導体と通常の超伝導体との物性における差異が明らかになったことは、その特徴を実験的に検出する上で重要である。また、磁場下の超伝導状態の研究を通して、準結晶がエキゾチック超伝導と呼ばれるタイプの非従来型超伝導体の候補と成り得ることを示した。更に、これらの研究によって明らかになったフラクタル的非一様性を有する超伝導状態は、今後、フラクタル構造と超伝導の協奏を研究する上での出発点となりうる。
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