研究課題/領域番号 |
17K14356
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 大阪府立大学 (2018) 首都大学東京 (2017) |
研究代表者 |
及川 典子 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452817)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 液液溶解 / イオン液体 / 相分離 / 濃度揺らぎ / マランゴニ効果 / 界面不安定性 / 相平衡 / 界面張力のゆらぎ / 2成分溶媒 / 界面の不安定性 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
液体同士の溶解において,液体間の界面が保持されたまま溶解する液液溶解を解明することを目的とし,疎水性のイオン液体と水の混合過程を対象として研究を行った.イオン液体と水の溶解において,溶媒である水にエタノールを混ぜることにより系の疎溶媒性を弱めると,イオン液体の液滴に自発的に穴が開く現象 (アクティブホール現象)が見られることを発見した.イオン液体/水/エタノール3成分系の相平衡の型から考察を行い,このアクティブホール現象の発現が,3成分が完全相溶となる臨界点付近における濃度揺らぎと溶解の相互作用によって引き起こされることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオンのみから構成され、室温で液体状態をとるイオン液体は、物質の選択的な溶解性や高いイオン伝導率などの性質により、化学工学や電気化学の分野で幅広い応用が期待されている。特に近年、物質分離操作などの応用へ向けて水と疎水性イオン液体との相分離が注目されている。本研究では水溶媒にエタノールを添加することによってイオン液体の疎溶媒性を変化させ、相分離の臨界点を制御しながら臨界現象を観測している。これまでの相分離の理論は主に2成分系が対象であり、本研究で注目する3成分系相分離に特有の新規現象の解明は、イオン液体の物性研究および臨界現象の統計力学の両方面に新たな知見を与えると期待される。
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