研究課題/領域番号 |
17K14368
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐久間 由香 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (40630801)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ベシクル / 化学刺激 / マイクロインジェクション / 膜変形 / 膜張力 / ベシクル膜変形 / 分子形状 / ソフトマター物理 / 生物物理 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
生体膜の基本的な機能である膜輸送経路には接着・融合・分裂等の膜変形が伴う。この機能性膜変形を実現する物理的基盤の解明を目指し、脂質から成るモデル生体膜(ベシクル)にマイクロインジェクション法により化学刺激を与えて膜変形を再現し、膜弾性モデルとの比較を行った。この結果、アニオン性脂質から成るベシクルに電解質を与えると膜間相互作用や膜張力などの物理パラメータの制御が可能になり、接着・融合・孔形成などの機能性膜変形を再現できることを明らかにした。さらにマイクロインジェクションが膜面に誘起する流動パターンを見出し、膜組成と膜の流動特性の関係を測定する新規手法の開発へと発展した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体膜において、生命機能に伴う膜変形はタンパク質がその鍵を握っている。しかし、物性物理の立場から見た際にタンパク質がどのようなパラメータを制御して膜変形を実現しているかは明らかになっていない。本研究では膜輸送経路の素過程である接着,融合,孔形成などの多様な膜変形を制御するために、化学物質の持つ個性に着眼し、様々な化学刺激をベシクルに作用させることで機能性膜変形の再現に成功した。これは、膜を基本とした生命機能の発現・維持の物理的基盤を解明するための重要な鍵となると期待される。さらに、ドラッグデリバリーシステムなど工学的利用への展開も多いに期待される。
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