研究課題
若手研究(B)
将来の惑星“着陸探査”への搭載を目指し、その場での高精度・多元素同時分析が可能な“能動型蛍光X線分光計”の開発に関わる研究を行った。本研究では、軽元素の高精度分析のため、従来検出器のX線窓として使用されてきたベリリウム(Be)ではなく、安全により薄く加工が可能な“シリコンナイトライド(Si3N4)”を検出器のX線窓として使用した。Si3N4を使用することで、低エネルギーのX線透過率が上昇し、X線の検出効率が向上するため、軽元素分析の短時間化が可能となる。また、本研究では焦電結晶型X線発生装置の高真空化での圧力依存性についても報告した。
惑星探査においてその場の元素組成を分析することは、その天体環境の理解や環境がどのような過程を経て現在の姿に至ったのかを理解する上で非常に重要である。本研究では惑星探査という限られた時間とリソースの中で最大限の科学的成果を引きだすために、多元素同時分析が可能な装置開発について研究した。X線分析装置は、惑星探査のみならず、地球での実地調査にも広く用いられる。放射性同位体を使用することなく、短時間で高精度な分析が可能で、かつ小型軽量な装置の開発は、宇宙用のみならず、地上用としても非常に意義がある。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
International Symposium on Space Technology and Science, ISTS Web Paper Archives
巻: 2019-k-04 ページ: 1-6
巻: 2019-k-05 ページ: 1-7