研究課題/領域番号 |
17K14450
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
槇田 祐輔 九州大学, 理学研究院, 助教 (00752453)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | decarboxylation / palladium / catalyst / coupling / パラジウム / 触媒 / カップリング / 有機化学 / 合成化学 / ベンジルエステル / パラジウム触媒 / 脱炭酸 / カップリング反応 / ジアリールメタン / 有機リン化合物 / ベンジルカップリング / 遷移金属触媒 / 不斉合成 |
研究成果の概要 |
初年度に、フッ素置換安息香酸ベンジルの脱炭酸反応がパラジウム触媒を用いることで効率的に進行し、ジアリールメタン誘導体を高収率で与えることを発見し学術誌上で公表した。本反応は、古典的なクロスカップリング反応において避けることのできない有機金属反応剤由来の副生成物を回避できる。また、種々のリン化合物を求核剤としたパラジウム触媒によるベンジル位置換反応も報告した。 最終年度は、先の脱炭酸反応を応用したビアリール合成法の開発に取り組んだ。種々の触媒と反応条件の検討の結果、ニッケル -NHC触媒を用いた安息香酸フェニル誘導体の脱炭酸が程収率ながら進行することを見出した。反応効率の向上が今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究では、エステル類を有機ハロゲン化物の代替とする2種類のクロスカップリング反応を見出した。エステル類はカルボン酸とアルコールから脱水縮合によって簡便に合成可能である。得られたエステルを金属触媒によって脱炭酸することがで きれば、縮合と脱炭酸からなる一連の炭素-炭素結合形成反応を対応するカルボン酸とアルコールの形式的なクロスカップリング反応とみなすことができる。すなわち、入手容易な原料から水と二酸化炭素のみを廃棄物とする新たな結合形成反応の実現となる。反応によって得られるジアリールメタン誘導体は医薬品や機能性材料を合成する際の基本的な骨格であり、本反応の有用性がわかる。
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