研究課題/領域番号 |
17K14466
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
辻本 吉廣 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (50584075)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 複合アニオン / スピン転移 / 高圧物性 / 酸ハロゲン化物 / 酸硫化物 / 第二高調波発生 / フラックス単結晶育成 / 酸フッ化物 / 圧力誘起スピン転移 / コバルト / 層状構造 / 高圧XRD / 酸塩化物 / 層状化合物 / 配位構造 / 高圧X線回折 / 層状ペロフスカイト |
研究成果の概要 |
本課題では,Sr2CoO3Fで見出された圧力誘起異常スピン転移の機構解明,および異常配位状態をもつ新物質創製と物性評価を検討した.手始めに,Sr2CoO3Fと同構造,しかし,酸素とハロゲンが秩序化しているSr2CoO3Clに対して構造の圧力依存性を調べた.その結果,酸フッ化物相と同様に12-13 GPaにスピン転移由来の異常を観測した.しかし,酸塩化物相では転移圧力付近において体積の不連続の落ちが見られ,Coの配位状態は5配位のままであった.この結果はフッ素と塩素の異なるイオン半径およびCoとの結合性の違いによる結果と考えている.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では複合アニオン化により電子状態,とりわけ結晶場の変調を通して新規物性を開拓することを目標として,スピン転移及び異常配位状態をもつ物質創製の研究を行った.スピン転移の研究の大半は酸化物であり,複合アニオン化によるスピン状態の制御の研究例はほとんどなかった.Sr2CoO3Fの圧力誘起スピン転移は複合アニオン系で初めての報告であり,これに続く酸塩化物を対象としたスピン転移研究はハロゲン原子の依存性を明確に捉えた点で学術上重要である.また,新奇酸硫化物の発見は,非線形光学現象の応用の観点から大変重要で,今後,市場のバルクの非線形光学結晶の性能を凌駕する新物質探索の指針を示すことができた.
|